もうすぐおわかれのときよ
あら、かねの音がきこえるわ。
みんな みんな みんな みんな
よし よし よし よし ばば百さい
桝本うめ子
うめ子先生の遺言ともいわれる書の一部分
（1892.01.25-1992.04.28）
2014年の日本人の平均寿命は女性86.83歳、男性80.50歳で、
ともに過去最高を更新したことが（ ２０１５’７’30 ）
厚生労働省の調査で分かりました。
女性は三年連続世界一、男性は前年の四位から三位になり、
世界有数の長寿国となりました。
人口約１８万人のここ弘前市も、現在７１名１００歳を迎えられた方が
いらっしゃいます。
桝本うめ子先生は山形県キリスト教独立学園で１００歳まで
現役で書道の先生としてご活躍された、たぐい稀な日本女性でした。
たんに書道の田舎教師をされただけではなく、じつに自由闊達な、
力づよく、味わい深い内容を含んだ書を、それこそ、蚕が糸を吐くように、
とめどもないほど残された女性でした。
うめ子先生は「良妻賢母」という点でも図抜けておらたようです。
頭が良く、健康で、働き者で、その上料理は天才的と思われるほどお上手。
また自分のことより人様のために尽くすことに無上の喜びを覚えるお方でした。
結婚されたあとは、朝起きると「今日はどなたのために働こうかしら」と考え、
小さいおからだで、掃除、洗濯、炊事に励み、家の中をピカピカに磨き、
奥から音もなくすり足で出て来られるうめ子先生の姿が、その廊下に映るほどで
絵に描いたような良妻賢母でいられました。
独立学園は山形県の南部、西置賜郡小国町の叶水にあります。
飯豊山地と朝日山地に挟まれ非常に奥深い山の中の日本で一番小さい高校です。
１００歳のうめ子先生が天に召されてから５年後、 NTV「知ってるつもり」(1997.12.21）
で放送されたことで独立学園の名前を知った人も多かったのではないでしょうか。
独立学園はほぼ全寮制で生徒は全国から集まってきます。
学園の始まりは伝導者、内村鑑三の呼びかけによる小国伝導に端を発し、
「 読むべきものは聖書、学ぶべきものは天然、なすべきことは労働 」
の言葉の下、設立されました。
うれしいな
ねてあそんでいる
夢でもみているのかな
そうではないよ
神様のごほうび
うれしいな
すこし病気になって
手もふるえ
おもしろい
ちょっと淋しいけれど
これでいいのよ
おもいあがらないで
ゆきましょう
感謝 感謝ね
百歳の書道教師として、専門の書家も舌を巻くほどの書を残されました。
「百歳になると肉体は急激に衰えていったが、筆は自由に走り出し止まらなくなった。
筆が通ったあとは、もはや作品ではなく神様への手紙となった。」と孫の桝本進さんが語っています。
一本筋の通ったキリスト信仰のお方でした。
しかし桝本うめ子は聖女ではございません。涙する罪人でありました。
そしてイエス様から罪ゆるされ、「おばあちゃま、なんて美しいお顔でしょう」と
華子先生（ 次男の嫁 ）を驚かすほど、はればれとした生き方を、私たちの心に
焼き付けてくださいました。
弘前福音キリスト教会では３月１日のオアシス会で桝本うめ子先生をビデオで学び、
４月５日のオアシス会でも再度学びます。
うめ子先生の素晴らしい書とは比にもなりませんが、今月は私が教会案内版の
みことばの書のご奉仕をさせて頂きます。
第１週
親切なことばは蜂蜜
たましいに甘く骨を健やかにする。 箴言１６章２４節
第２週
草は枯れ 花はしぼむ。
だが、私たちの神のことばは永遠に立つ。 イザヤ４０章８節
第３週
主の恵みは とこしえまで。 詩編１１８章３節
第４週
あなたのみことばは 私の足のともしび
私の道の光りです。 詩編１１９章１０５節
神様からのラブレター、あなたの心に届きますように。
