7歳の孫の優ちゃんへのクリスマスプレゼントは「たいせつなきみ」の本。
自己肯定感を育てる本として教育現場でも注目。
授業の教材にも採用されています。
ウイミックスと呼ばれる木の小人たちは、毎日同じことをしていた。
金の星のシールか、灰色のだめじるしシールをはること。
なめらかな木でできて、絵の具もきれいに塗られた小人たちは、
いつでも星がもらえた。
才能ある小人たちもそうだ。
でも、あんまりいろいろなことができない小人や、絵の具がはげている
小人たちは、みにくい灰色のだめ印シールがはられてしまった。
パンチネロは、そんな小人のひとりだった。
ある日、お星さまシールもだめ印シールも何もつけていないルシァという
女の子に出会います。
「もう だれからも いいとか わるいとか 言われたくないよ」
とルシアに打ち明けます。
それならかんたん、毎日丘のてっぺんの彫刻家のエリの所に行き
エリとお話しするのよ。」
「でもぼくなんかに会ってくれるかなあ?」
パンチネロは細い道をてくてくのぼって、丘の上の仕事場の中に
入っていきました。
なにもかも大きくて木でできた目はまんまるになりました。
「やっぱり よそうっと!」くるっとむきをかえて帰ろうとした その時。
「パンチネロ?」
それは低い大きな声でした。・・・・
ほかのウイミックスたちがどんなに彼をけなそうとも・・・
彫刻家エリはそんなパンチネロに彼がどんなに大切な存在かを悟らせようと
します。
「どんなシールがもらえるかってことを気にしているとシールのほうも
おまえに くっついてくるんだ。
おまえがわたしの愛を信じたなら シールなんて どうでもよくなるんだよ」
外に出ようとするウイミックスに エリはこう言った。
「この手でつくったから おまえは たいせつなんだってことを忘れちゃ
いけないよ。それからわたしはしっぱいしないってこともね」
パンチネロは立ち止まらず 心の中でこう思った。
(ありゃ ほんとだぞ)。
そして その時 ひとつのだめじるしが じめんにおちた。(抜粋)
マックス・ルケード
アメリカの人気作家。
とくに、ストーリーをもちいて深い真理を語ることにおいて
群を抜く巧みさをもっている。
牧師でもある。
英語版「たいせつなきみ」は100万部を超えるロング・セラー。
セルジオ・マルティネス
メキシコ出身のイラストレーター。
「ピーター・パン」「ピノキオ」「クリスマス・キャロル」
など古典の美装版のイラストを手掛け、世界的に高い評価を得た。
ルケードとのコンビによる「たいせつなきみ」シリーズで
日本にも多くのファンがうまれている。
令和元年の1月から11月までの日本の自殺者は18,487人
(男性12,927人・女性5,560人)
日本全国の学校で昨年度に自殺した児童・生徒は250人に上り、
過去30年間で最多となったことが文部科学省の調査でわかりました。
頂点にまで登り詰めたエリート官僚の凶行。
20人が殺傷された事件等々。
痛まし事件が起こるたびにいつも思うのです。
加害者は被害者でもあるということ。
加害者だけが悪いのではありません。
一体周りの大人たちは何をしていたのですかと・・・
自分を大切に思っていてくれる人が一人でもいたならば、決して
自暴自棄にならず、殺人など犯さなかっただろうにと残念でなりません。
「たいせつなきみ」は子供たちばかりでなく、大人のあなたにも
是非読んで頂きたいお勧めの本です。