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賢治さんの香りと心を求めて  パートⅥ

2014年5月19〜20日。第二弾!東北福幸の旅。
みちのくも新緑の季節となりました。
東北高速道を大鰐ICから南に走ります。
しばらく青い空に浮かぶ雲を楽しみながら・・・

今まで岩手山は高速道からしか見ることがありませんでした。
今日は岩手山の麓、焼走り熔岩流まで行ってみたいと思います。
毎回、高速バスの前方大きな窓ガラスには大小100匹ほどの虫たちが犠牲になります。
即死状態のその小さな命の亡がらを目の前にして運転しなければならないドライバーさんも
お気の毒です。
西根ICを降り、10分ほどで焼走りに到着です。

       五感に刻む地球の鼓動。大地の力を体感するネイチャーゾーン。

日本百名山の名峰 岩手山 ( 十和田・八幡平国立公園 )
標高 2,038m  コニーデ型火山( 成層火山 ) 那須火山帯に属する休火山 

岩手山焼走り熔岩流
特別天然記念物指定( 昭和27年3月9日 )
1732年( 約280年前 )の岩手山火山噴火で、海抜1,100〜1,200m付近の4つの噴出口から流れた溶岩の累積する熔岩原。 全長:約4km 幅:約1,5km


焼走り熔岩流入口から原自然が織り成す自然観察路を歩いて行くと、約1キロ先には宮沢賢治詩碑「 熔岩流 」があります。
厚さ10mの熔岩堆積層。詩碑を目指してごろごろした熔岩球の上を歩くこと30分・・・
時々自衛隊演習場からでしょうか、ド〜〜〜ン!!と大砲?らしき音が聞こえてきます。
鳥のさえずりは全く聴くことができません。

                                    向いの山々は八幡平

1周45分約1,000mなのですが、行けども行けども熔岩流・・・途中諦めUターン。
登山靴でなければ非常に歩くのは困難です。
車で詩碑の在るところまで向いました。

かって賢治さんは300回以上この山に登られたそうです。
今なお残る荒涼とした景観、萌黄色の裾野、残雪の美しい岩手山とのコントラスト。
正午過ぎの逆光です。

「 焼走り熔岩流 」第一噴出口跡から上の砂礫地帯は国内最大のコマクサの郡生地として知られています。

                            噴出口付近

高山植物の女王コマクサは花を横から見ると馬の顔に似ていることから名付けられ、初夏には可憐な花を咲かせ、訪れる人々に親しまれています。

                     宮沢賢治の「 熔岩流 」詩碑。


「 喪神のしろいかがみが薬師火口のいただきにかかり、日かげになった火口礫堆の中腹から、畏るべくかなしむべき砕塊溶岩の黒/わたしはさっきの柏や松の野原をよぎるときから、なにかあかるい広原風の情調をばらばらにするようなひどい景色が展がるとは思っていたけれども、ここは空気も深い淵になっていて、ごく強力な鬼神たちの棲みかだ/一ぴきの鳥さえも見えない・・・」

熔岩流の激しい鬼気を、詩「 熔岩流 」の中で「 鬼の棲みか 」と表現しました。

詩碑のすぐ隣の展望台より。

展望台脇には山桜がひっそり咲いていました。

次回は北上川岸辺を歩いてみたいと思います。