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みちのく温泉探訪   渡り温泉〜大沢温泉    5月18日〜19日

昨晩から降り始めた雨がまだしとしと降っている広いお庭を宿の傘をお借りして散策。

髭に大きな水滴を沢山抱えたロックガーデンで見かけた翁草。

外はしとしと雨。止みそうもありません。
さてどうしようか・・・ということですぐ近くの大沢温泉に日帰り入浴することに意気投合。
渡り温泉翡翠風呂で一緒になった岩手県旅館組合の女性から大沢温泉を勧められました。

大沢温泉のしおりの表紙に書かれている「 ゆ 」の文字は書家・相田みつを氏が
700枚以上の習作の末に書き上げられ、大沢温泉に贈られた書です。

日帰り入浴は昭和の初めの雰囲気のある旧館、かわべの湯と薬師の湯。
建物すべてがレトロな懐かしい空間で、昭和初期にタイムスリップです。
磨き込まれた廊下、階段の木肌に漂ういにしえの湯治場余情。
そこは気取りのない、素朴ないで湯の社交場でした。

女性用の「 かわべの湯 」は文字通り川辺( 豊沢川 )にある自炊部露天風呂。
露天風呂からは、緩やかな広い谷川、その対岸には大きな藤の木があり、ちょうど紫のふじの花が
10mほど水面まで垂れ下がり、小雨にしっとりと新緑の中に美しく咲いていました。

大沢温泉アルカリ性単純泉。( PH 9 . 2 )
今まで経験したことのないお肌がつるんつるん!!
柔らかで優しく、とっても気持ちの良い温泉です。

宮沢賢治は少年の頃、信仰心の厚い父に連れられ花巻仏教教会の講習会場だった
大沢温泉に幾度となく訪れています。
後年花巻農学校の教師時代には、生徒を引き連れて湯浴みに来たそうです。

昭和20年空襲で東京のアトリエを失った高村光太郎は賢治の父を頼って花巻に
疎開します。
以後7年間、光太郎は花巻を愛し、大沢温泉を「 本当の温泉の味がする 」
と喜んだそうです。

           
             
                紅葉の曲り橋の見える大沢温泉

約1200年前、蝦夷大将軍坂上田村麻呂が東征の際、蝦夷軍の毒矢に
負傷し、大沢の湯に入浴し、ほどなく傷が癒えたという伝説がある大沢の湯。

本当の温泉の味・・・ほんとうに、ほんとうにこれこそ温泉!!
これ以上の温泉があるのだろうか・・・と思うほど満足した温泉でした。